
本年の4月に湘南第一病院に内科・循環器科部長として着任して、3ヶ月が過ぎました。
この間、十分な挨拶ができないまま私の診療がはじまり、多くの患者様とご家族の皆様にご迷惑をかけ、混乱させてしまったことを、最初にお詫び致します。
私の前任地は東京女子医科大学病院循環器内科で、その冠動脈疾患治療部(Coronary Care Unit:CCU)において、主に循環器疾患全般の急性期管理・集中治療に現場のチーフとして携わってきました。そこでは、外来はもちろんのこと、都内のクリニックや医院、病院から昼夜を問わず緊急搬送された重篤な病状の患者様に対して、「救命」を優先した、いわば救急医療に近い診療を行ってきました。
現場は、多くの若い医師の活気で満ち溢れていました。
一方、ふと世間に眼を向けると、「医療崩壊」の言葉で語られる、医師の偏在・撤退、診療科閉鎖、たらい回し、医療難民…といった「活気」とは全く対極にある厳しい現実が蔓延していました。それまで「体力の続く限り高度医療の第一線で仕事をして、世代交代の時期が来たら一勤務医として地方の病院に身を移そう。」という漠然とした想いを抱いていた私に、「体力のある若い今こそ、地域医療に身をおくことの価値がある。」という能動的、積極的な信念を想起させてくれたのが、湘南・藤沢地域、湘南第一病院との出会い、昨年40歳春の出来事でした。
本病院が約40年もの間存続している要因が、地域の皆様のニーズであることに疑いの余地はありません。
しかし、それは必ずしも本病院の地域への貢献度を量るものではなく、皆様の許容と温かい支援の賜物であると理解しています。これまでの歴史に甘んじることなく、目まぐるしく変わる医療情勢とともに我々も変化しなければなりません。
本病院は、スタッフ数、病床数、設備の面でみると、大学病院や都市部の基幹病院と同等の医療を担える病院ではありません。
しかし、地域における役割を考えた時、中・小規模の病院が担うべきこと、中・小規模の病院にしかできないことがあるはずです。その一つが、高次医療機関と医院やクリニック、患者様との橋渡し、「連携」です。連携の中心に立つためには、確実な「医療知識・技術」はもちろんのこと、社会常識や思いやり、優しさといった「人格」が必要です。さらには、フットワークの源となる「体力」も必要でしょう。この数年で、これまでのベテラン勢に、副院長をはじめとして、私を含めた多くの若い医師や看護士、医療スタッフが加わりました。
皆様のニーズに応える真の地域医療の実践に、スタッフ一同邁進する所存です。
これまで以上のご支援、ご指導を賜りますようお願い致します。
平成21年7月1日
湘南第一病院 内科・循環器科部長 長嶋道貴 |
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